桜郷里の暮らし(A様) ~居住者様インタビュー~

入居者インタビュー

目次

こんにちは。今回より、「桜郷里(さくらこうり)」の居住者の方々へのインタビュー企画をスタートします。2020年に三島へ移住したライターMinakoが、静岡県三島市に新しく誕生した優良田園住宅地「桜郷里」での暮らしの魅力を、移住者目線で伺っていきます。

なぜこの土地を選んだのか、どのようなライフスタイルを描いて家を建てたのか。
そして実際に生活し始めて感じている暮らしの「変化」までをお伺いします。

今回は、Aさんご夫婦(仮名・60代)にお話を伺いました。

転勤のあるお仕事で、静岡県外も含む地域にも住んできたAさんご夫婦。夫のA夫さんは三島市内で勤務、妻のA子さんは専業主婦で、2人暮らし。定年後を見据えて桜郷里にご自宅を構えました。

桜郷里の決め手は、緑の向こうに見える富士山

ーーとても広くて開放感のある玄関にまず驚きました!今日はお伺いしたいことが沢山あり楽しみにしてきました。よろしくお願いします。まず、桜郷里に家を建てようと決めるまでの経緯を教えてください。

A夫さん:私がまもなく定年を迎えるので、老後の暮らしについて考え始めたことがきっかけでした。

A子さん:桜郷里を選んだ大きな理由のひとつは、富士山です。
土地を探していた時に、たまたまご紹介頂いてこの場所に立ち寄ったんです。まだ原っぱの状態でしたが、見晴らしの良い開けた土地で、緑の向こうに富士山が大きく見えて、街中で建物越しに見る富士山とは全然違ったんです。しかも駿河湾も見え、両方とも見れるなんてすごい!こんな場所があったんだ!とすぐに気に入りました。

A夫さん:私は仕事柄全国転勤があるのですが、そのなかで以前、富士市に住んでいたときに、富士山が近くにある生活がとても良かったんです。その後、隣町の長泉町に移りましたが、そこでも玄関を開ければ富士山が見えました。静岡で生まれ育った人には当たり前のものかもしれませんが、多くの日本人にとって富士山は特別な存在だと思います。そのため「家の中から富士山が見えるか」にこだわり、この場所に決めました。

このリビングも、富士山を見るために北側に窓を設けました。「絵画のような富士山が見える」と建築家の方から聞いていたのですが、実際に家が出来て「あぁ、こういうことなのか」と感動しました。

ーー富士山のために、あえて北側に窓を設けたんですね!

A夫さん:そうなんです。最初は、窓が北側だと暗くなるのかなと思い迷いました。でも実際に住んでみるとそうでもなく、とあるドラマの中でも「北側の光を取り入れる事で暖かい空間になる」と言っていたのですが、その通りでした。

ーー今日は雲で隠れていてとても残念ですが、ここからの富士山ぜひ見てみたかったです!

A子さん:せっかくお越しいただいたのに残念ですが、普段はこんな富士山が見えるんです。

ーーすごい!とっても綺麗ですね。

A子さん:毎日見ていても、ついつい写真を撮りたくなってしまうくらい、富士山は素晴らしいですよね。

A夫さん:浴室にも窓を設けて富士山が見えるようにしたんですよ。今日のように見える日も見えない日もありますが、日々変化するその瞬間を見ることが出来るのも「富士山の見える家」を建てて良かったと感じる点ですね。将来もし寝たきりになったとしても、このリビングをベッドルームにして、毎日富士山を眺めて過ごしたいなと思っています。

土地・家選びで最も重視したのは隣地との「距離感」

ーー富士山の他にも、桜郷里を選んだ理由を教えてください。

A子さん:家を建てる上で、実は富士山よりも一番重視していたのは「距離感」なんです。都会のように、隣の家と密接している環境は窮屈で嫌だなと思っていました。桜郷里では、区画に対して家を建てられるのは30%という規則があるため、近隣の家とも十分な距離が取れることは決め手の一つでした。「人目をきにせずカーテンを開けたまま生活したい」という願いも叶いました。

ーー隣の家への騒音を配慮して、区画内の駐車場の位置も決まっていると伺いました。桜郷里全体で、住む人たちが快適に暮らせるように、細かいルールが決まっているんですね。

A夫さん:これまでは、私が転勤族だったので、あまり地域と密着した生活をすることは出来ず、例え疑問に思うことがあっても、既に営まれている地域のルールを受け入れるしかありませんでした。そのため、出来れば新しい新興住宅地で、みんながルールに納得し、ゼロスタートで一緒につくっていけるような環境が良いと考えていました。そういった点でも、新しくこれからつくってゆく桜郷里の環境は理想でした。

A子さん:物理的な距離だけでなく、色んな意味での「距離感」を重視していたのですが、近隣に住む地元の方々も心地良い距離感で接してくださっています。家を建てる前から話しかけて頂いたり、住み始めてからはお野菜を頂いたりもしました。すごくフレンドリーで親切な方ばかりでとても安心しています。

一つ一つの空間に、ゆとりのある広さを

ーーお二人にとって初めての「家」を建てるにあたり、こだわったことを教えてください。

A夫さん:賃貸だと間取りが決まっていて、それに生活を合わせるしかない。家とはそういうものだと思っていましたが、自分たちの家を一から建てるにあたり、とにかく一つ一つの空間の広さにはこだわりました。

これまでのアパートでは狭さを感じていた玄関を広くしたり、洗面所は妻と私それぞれ専用で設けたり。もしかしたら無駄になっている部分もあるかもしれないですが、そういう一つ一つの空間の広さが、家でゆったりとくつろげることに繋がっているのかなと感じています。

ーー無駄かもしれないと思いながらも、空間的「広さ」を大事にされているのは、アパートでの生活で「狭さ」からストレスを感じる事もあったからなのでしょうか。

A夫さん:そうですね。年齢を重ねたことで価値観も変わってきたのかもしれません。家ではゆったりと過ごしたい、お金やモノで満たされるのではなく、穏やかな気持ちでシンプルに暮らしたい、という想いが強くなってきたように感じます。

A子さん:広さの面では、これから自分たちがどうなるかも分からないので、どうにでもなるようにしたいという考えもありました。例えば、車いすでも入れるような空間設計にして、玄関の段差にもスロープを設置できるくらいの広さにしました。

ーー将来の生活の変化も想定して、「余白」のある空間にしたのですね。

A夫さん:実は2階には「富士見ルーム」もつくったんです。富士山をただ見る為だけの部屋です。笑 この部屋も一見無駄に思われるかもしれない場所ですが、私達は夫婦二人ということもあり、自由な空間をつくることができました。

A子さん:私は朝起きて寝室を出ると、そこでしばらく富士山を眺めてから一日がはじまります。毎日違う表情の富士山が見えて、とても気に入っている部屋なんです。

ー富士山を見るためだけの部屋ですか?!贅沢でとても素敵ですね。

ずっと憧れだった「庭造り」を実現

ーー他にも、一から設計したご自宅で、こだわりや理想を叶えたポイントはありますか?

A子さん:初めて念願の「お庭」を持てたこともとても嬉しいです。ホームセンターに行き、自分で庭造りをすることが日々の楽しみのひとつになっています。

A夫さん:これまではアパート暮らしだったため、妻はベランダで鉢植えを育ててきました。そのため、家を建てるときには、今まで転勤族の自分についてきてくれた妻に「自分の庭を造る」という夢を叶えてあげたいと考えていました。それが実現して本当に良かったです。窓の外に見えるあの木は、妻がアパートのベランダから育ててきて植えたものなんです。

ーーベランダでここまで立派な木を育ててきたんですか?!本当に緑を大切にされいるんですね。

A子さん:「いつか庭のある家を持てたら、こんな木を育てたい。」と思って育ててきました。まだまだお庭でも毎日やることが沢山あるので、手入れをするのが楽しいです。

A夫さん:あとは、ウッドデッキも憧れのひとつでしたね。外で夜景を見ながらくつろいだり、休日は、昼から富士山を見ながらお酒を飲んだり。隣の家との距離が近い都会だとなかなか難しいと思いますが、家では人目を気にせず解放感に浸りたかったんです。実際には、そんなに日常的にやらないことはわかっているんですけどね。笑

桜郷里で暮らしはじめて、感じる「変化」

ーここで生活し始めてまだ3か月ほどだと思いますが、既に感じている暮らしの「変化」はありますか?

A子さん:夫は車が好きなのでドライブに出掛けることも多く、家よりも外で過ごすことが好きでしたが、今はレコードをかけて家でゆっくり過ごす時間が増えたと思います。

A夫さん:確かにこの家で生活をはじめてからは、仕事を終えたあと早く家に帰りたいと思うようになりました。私は基本的に家では仕事をせず、オンオフを切り替えて過ごしています。以前から音響にはこだわっていたのですが、レコードプレイヤーも新しく購入し、昔のものに回帰してレコードで音楽を聴きたいと思っていたことも叶い、今は実家に帰るたびに昔のレコードを持ち帰ってきています。初めて壁に大きなテレビも設置したので、音楽だけでなく映画を見るなど、リビングでゆっくり過ごす時間は増えましたね。

A子さん:私も、スポーツジムに行ってもすぐに帰って来るようになりました。以前はジムでシャワーを浴びていたのですが、今は家でゆっくり浴びています。車でどこにでも行ける利便性のいい場所ですが、できるだけ家にいたいですね。

A夫さん:念願の庭も造り、この家で暮らし始めて、以前よりもっと妻の笑顔も増えましたね。

ーー確かに早く帰りたくなる気持ちがわかります!家で過ごす時間が増える中、「家にいたい」と思える自宅であることはすごく幸せですね。

徒歩圏内にコンビニは無いが、周辺環境に不便は無い

ーー周辺の生活環境は如何ですか?住んでみてからの実感を教えてください。

A夫さん:私は車で出勤していますが、10分程度で、車が温まる前には三島駅北口へ到着します。車での生活だと駅までは近いですね。

A子さん:スーパーもアクセスが良く、伊豆縦貫道で長泉町のスーパーへよく行っています。車で10~15分なので、アイスクリームを買っても溶けない距離です。サントムーンも1号線ですぐですね。また、箱根への登り口に位置していて、伊豆縦貫道からはすぐ新東名にも乗れるので、夫の実家がある首都圏にもアクセスが良いのがとても便利です。

ーー車でのアクセスはかなり便利そうですね。ちなみに、最寄りにコンビニなどはあるのでしょうか?

A子さん:歩いて行けるコンビニは無く、最寄りのコンビニは車で5分ですが、今のところ不便は感じていません。これから居住者の方が増えてこの地域も盛り上がっていくことで、そういったコンビニなども近くに出来れば嬉しいですね。

それぞれにとって、「家」とはどういう存在か

ーー今日は新しいご自宅での暮らしについてお聞かせくださり、ありがとうございました。家を建てることは大きな決断だったと思いますが、土地選びや家の設計ひとつひとつに、お二人の価値観が詰まっていることを感じました。最後に、お二人それぞれにとって「家」とはどういう存在か教えて下さい。

A子さん:表現するのが難しいですが、「自分らしさを守ってくれる場所」なのかなと感じています。家は一番長く過ごす場所なので、外では出せない自分を出せたり、外の環境から守られている安心を得られる場所です。もし外で嫌なことがあっても、日常の営みの中で自然とリセット出来るような、そんな私らしさを守れる場所ですね。そういう家を叶えられたと思います。

A夫さん:そうですね、私達夫婦にとって家は人を呼んで集う場所ではなく、自分たちの好きなものにこだわり、自分たちで楽しみ、くつろぐための場所です。そのため、人を呼ぶことを考えた無難な内装にはせず、ラベンダー色の壁紙や、オレンジのソファ、富士見ルームなど、好きなようにつくることができました。無駄にみえるような空間も含めて、本当に自分たちの「自由にできる場所」になりました。

ーー自然に囲まれる環境で、季節の変化も感じられる今後の生活も楽しみですね。

A子さん:夏には三島スカイウォークや沼津の花火も見えるそうなので、楽しみです。

A夫さん:私は定年後の趣味をこれからゆっくり探していきたいですね。

ーー今日は素敵なお話をありがとうございました!

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最後に、2階の「富士見ルーム」に案内して頂き、大きな窓から富士山の裾野と駿河湾を眺めました。この景色を一目で気に入り、桜郷里に決める理由となるのも納得の絶景でした。

毎日富士山を眺めてから一日が始まり、家での時間をゆっくりと過ごす。
住む土地、住む家が、日々の暮らしをこんなにも豊かにするのだと改めて感じました。

今後も桜郷里の居住者の方々へ、ここでの暮らしを伺っていきたいと思います。

インタビュー・文│Minako Ishibashi